図書館学徒未満

図書館学に関する本を読んだり調べごとをしたりしています。はてなダイアリーから移行しました。

スペイン文化省による図書館専門職の「定義」を訳したよ!

冒頭だけな!!

カレントアウェアネス・ポータル「図書館専門職を“定義”する スペイン文化省内ワーキンググループが文書を公表

こちらの記事で紹介されていた文書 "Perfiles profesionales del Sistema Bibliotecario Español: fichas de caracterización " のほんの冒頭、目次と「館長」の定義部分を訳してみました。

以前から専門性の定義なくして図書館員の専門性ガーなどと発言するのはバカバカしいと思っていましたので、こういう試みは心の底から歓迎するものです。

スペイン語を読めない状態で訳しているので色々と意味不明な部分がございますが、ぜひご指導ご鞭撻の程お願いいたします。図書館用語を校正してくださる方、ならびにスペイン語を読める方の降臨を心の底からお待ちしております。

目次

  1. 3月に行った作業の概要
    1. アプローチと目標
    2. ドキュメントスコープ
    3. 使用した方法論
    4. ワークシート
    5. 職務とその他関連技能のレファレンス
  2. 専門職の一覧
    1. 館長
    2. 部門
    3. 蔵書構築の技術責任者
    4. 利用者サービスの技術責任者
    5. 図書館技術者
    6. 図書館技術アシスタント
    7. 情報技術責任者
    8. ライブラリー・ネットワーク・マネージャー
    9. リファレンス・ライブラリアン
    10. 利用者教育とリテラシーの専門家
    11. ドキュメントアナリスト
    12. 書誌学者と前任のファンドマネージャー
    13. ソーシャルウェブの責任者
    14. 電子図書館員とデジタルデータの保全担当者
    15. 社会文化的な再活性の専門性を持つ図書館員
    16. 法律の専門性を持つ図書館員
    17. 電子リソースやマルチメディアをデザインする専門家
    18. ユニパーソナル・ライブラリアン
    19. 学校司書
    20. バックヤード業務あるいはユーザー対応を行う図書館員
    21. 児童・ヤングアダルトサービス

館長

(原本では表になっていますが、表組み表記が巧く行かないので書き下します)

1. 役職名 (役職を規定する呼称)

館長

2. その他の呼称

    • ライブラリーマネージャー
    • コーチ
    • 図書館長
    • ライブラリーコーディネーター

3. ミッション

サービスに最大の責任を負う。計画を指揮し、目標を達成し、物的資源と人的資源、ならびに組織内の関係と組織外の関係双方をモニタリングし、組織の目標に配慮する。

4. 職場:

5. 専門分野(彼らが職務を遂行する領域)

組織内の異なる領域の管理、指揮、調整

6. 必要な能力レベル

N-1 技術に対する認識 / N-2 実践的な知識と専門的な技術 / N-3 ツールに熟達 (方法論的領域)

N-3 ツールに熟達 (方法論的領域)

7,8(割愛)

9. 特徴 (職務上の活動)

  • 計画やガイドラインを熟知した上で、図書館や組織のポリシーを策定する。
  • 現在の規定を遵守した上で組織のポリシーを承認する。
  • 組織のプロジェクトを管理、指揮する。
  • 組織を代表し、他の組織や政府組織、海外組織と連携する。
  • 図書館サービスの戦略的、実践的な計画を監督する。
  • 組織のリソースを管理する。
  • 組織構造や設備機器を計画する。
  • サービスの技術的プロセスをコーディネートする。
  • 組織の情報資源を計画する
  • マネジメントシステムの品質管理: 統計をとり、サービスを評価する
  • 組織のオープンアクセスポリシーを広報する。
  • アウトリーチライブラリアン(日本語ではなんて言うんでしょうか?)を調整する。
  • インフォメーションセンター、ならびにコミュニケーションセンターを指揮する。
  • 円滑なチームワークの推進。
  • 関係機関との協力を推進。

10. 他の役目 (職務に直接の関係はないが、通例期待される活動)

  • 採用プロセスへの参加
  • マーケティング活動の管理と可視化への関与

11. その他の能力 (望ましい職能; 太字は特に望ましいもの)

専門的な能力
    • 資料構築と資本管理
    • 資料と資本の拡充
    • コンテンツマネジメントとその知識
    • 資材管理
    • 提供サービスのデザイン
    • 情報技術とコミュニケーション
    • 出版と編集
    • 口頭でのコミュニケーション能力
    • 文章でのコミュニケーション能力
    • 映像でのコミュニケーション能力
    • コンピューターを介したコミュニケーション能力
    • 外国語の能力
    • 対人関係
    • 組織間のコミュニケーション能力
    • マーケティング
    • 人的資源の管理
    • プロジェクトマネジメント
    • 分析と評価
個人の資質(技能)
    • 自主性
    • コミュニケーション能力
    • 協調性
    • 分析力
    • 批判的思考力
    • 忍耐力
    • 厳密さ
    • 予測力
    • 決断力
    • リーダーシップ
    • 組織をまとめる能力

12. 備考

一般的に、図書館組織は高度に発達した複数部門から成り立っている。
部門長という呼称は図書館長を置くような図書館(特定の大学)にとっては適切ではない。
大学図書館においては、エリアマネージャーやサービス部門との間に明確な違いはない。監督者を示す管理上の名称は大学図書館長だが、部門長の下であり(図書館管理者か学科長)、部門長は部局長の下に置かれるが、部局は部門長に直接依存している。

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目次の中には耳慣れない職能名も多いので、ぜひ引き続き他の項目も読んでいきたいところです。