図書館学徒未満

図書館学に関する本を読んだり調べごとをしたりしています。はてなダイアリーから移行しました。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「図書館員が劣悪な労働環境下におかれ、図書館員の待遇悪化をまねく」

これに関しては昨日の記事にも書きましたが、純粋な労働問題として取り扱われるべき問題であり、直営・民間などという問題ではないと思います。いかなる団体にいかなる雇用形態で就労していたとしても、労働者として守られるべき権利は守られるべきであり、…

「受託者選定において競争原理が必要」

id:amd64x64 営利優先だから問題とは思わない。図書館は主業務において営利活動が出来ない。非営利業務を請負うならば、別途何らかの競争原理を働かせる仕組みが必須。競争入札なり選考の審査基準提示なり。 これは文章の主旨をもしわたしが誤読していたら申…

「指定管理者によるずさんな運営の事例がある」

たとえばブコメでご指摘を受けました泉南プール事件ですが、あれは経緯を見る限り、もちろん業者も悪いのですが、ちゃんとモニタリングせず、市民からの苦情も受けつけなかった市側も相当な問題がありますね。指定管理者を入れたとしても、なにもかも丸投げ…

「個人情報保護の観点から、民間団体による運営は望ましくない」

民間団体でも個人情報の保護に努めているところはいくらでもありますし、公共団体でもずさんな個人情報管理が問題視される場合もあります。個人情報を取り扱うかどうかと、その団体が民間団体かどうかは関係がありません。 たとえば、重大な個人情報である疾…

「指定管理者は数年で変わることがあり、図書館の地域資料収集等の妨げとなる可能性がある。また、ノウハウもたまらない」

確かに指定管理者は数年で変わる可能性がありますが、それなら直営館の職員も大抵は数年で異動します。公務員なので。専門職員にノウハウがたまるほど長年勤務してもらうには、浦安のような体制でもないと難しいのではないでしょうか。 また、首長も数年で交…

民間企業による図書館の運営について・各論

前回の記事に対してチラホラとご意見をいただきつつあるので、引き続き「なぜ民間企業は図書館の運営に向かないか?」を検証していきたいと思います。 以下は指定管理者制度・民間委託一般についてのコメントもあれば、図書館固有の問題もありますが、ごちゃ…

追記

読み返してみて、 yuki_0さんの元エントリにあった「『委託とか指定管理では専門性を持てない』という説は本当か」という問いにあんまり答えてないような気がしたので追記します。かといって、改めて追記するのもバカバカしいですが……んな訳ないでしょうが。…

企業が公共案件で手を抜くとかあり得ない

以上の通り、企業は主にブランド力の向上・維持のために赤字でも公共案件を受けたがる、ということがお分かりいただけたかと思います。 公共案件とは受託企業にとって 生きたショールーム です。 企業イメージの向上のために赤字覚悟でクソ公共案件を受託し…

民間企業が公共案件から得たいものは金銭的利益とはかぎらない

指定管理者に反対する人のロジックは 「民間企業は利益を優先する」 →「不当にサービスへのコストを削り、運営費用を下げて受託費を浮かせ、利益を出そうとする」 →「図書館サービスが劣化する」 といったものだと思いますが、失礼ながらそれはあまりにも民…

そもそも「利益優先だと公共事業に向かない」という前提は間違い

民間企業が利益優先であるという一点のみで公共系の事業に向かないのであれば、そもそも公共調達が全滅です。たとえ直営館でも建物の建設は民間業者が行っているでしょう。図書館システムの導入・運営も普通は民間業者が入っていますね。 公共団体が利益優先…

「民間企業は図書館の運営には向かない」論のウソ

※わたしは図書館の指定管理受託をしたことがない一民間人であり、以下の記事には推測が多分に含まれます。ご了承の上お読みください。 ※本稿は個別の委託問題、たとえば武雄市図書館におけるCCCの受託問題などに踏み込んで論じたものではなく、あくまで一般…