甘やかしてると思いますか?------子どもたちへの支援(pp.117-pp.125)
こちらでは、ニューヨーク公共図書館ではなくブルックリン公共図書館の興味深い事例が紹介されているので、そちらを取り上げてみます。
まず、この図書館では子どもたちが静かにしていません。
アメリカの家庭は大半が共働きで、多くの子どもは放課後から親の帰宅までの間放置されています。その行き場のない時間に、非行に走る子どもも少なくありません。そのような社会的背景から、ブルックリン公共図書館は、学校帰りの子どもの面倒を見ることに力を入れています。
この図書館内では、子どもは好きなだけ友達とおしゃべりができます。また、子どもの宿題をみるための専任の司書がおり、学校の宿題の面倒を見てくれます。アメリカでは、子どもの宿題を図書館が見ることは決して珍しくありません。
また、同図書館には「テクノロジー・ロフト」という、Macがずらりと並んだ端末室があります。当然インターネットには常時接続、オフィス系アプリや教育系ソフト、そしてなんとプリンターまでも完備されている大盤振舞いです。この端末は宿題や調査学習などのために自由に使用できます。
もちろん、こちらにも専任の司書がつき、マシントラブルへの対応や使い方の指導を行っています。
子どもたちの指導は、大人の司書以外にも、十代のボランティアが行う場合もあります。子どもと歳の近い十代の少年少女たちがボランティアを行うことで、ボランティアたち自身に対する教育効果も期待されています。
このような至れりつくせりのすばらしいサービスですが、精神論大好きなわが国では「子どもを甘やかすな」という批判がおきそうです(^^;
何しろ、小学校へのエアコン設置でも「甘やかすな」という非難があったくらいなので*1「宿題くらい自分でやりなさい」と言われてしまうかもしれません。
でも、そういう方たちはこのページを見ている目の前の便利な箱の使用は明治時代の人に比べて甘えているので、まずご自分達がPCの使用をやめるところから始めればいいと思います。(何