AAUPはMOOCを教授陣の知的資産の新たな脅威になるとみなしている
(原文: "AAUP Sees MOOCs as Spawning New Threats to Professors' Intellectual Property")
大学は教員が行った授業でMOOCにあるものの所有権を主張し、教員の著作権や学問の自由を広く脅かしていると前AAUP*1会長のカーリー・ネルソンが月例会で主張した。
「もし知的財産をめぐる闘いに敗北したら、大学教授になることは専門家としてのキャリアや専門家としてのアイデンティティを意味しなくなる。その代わりに、自分たちはサービス業界で働いていると気付くことになる」
AAUPは大学教授たちに知的財産権を守るためのキャンペーンを計画している。知的財産を取り扱うための情報を配信するWEBサイトを立ち上げ、契約時に利用できる定型文例が記載されたハンドブックを出版する予定だ。
専門家としての著作権の防衛
AAUPは長年、大学教員が生みだしたあらゆる知的財産の権利を所有する権利に注目してきた。しかし専門家の権利を防衛する試みはまだ始まったばかりだ。ネルソン氏は、大学は知的財産権を管理しようとするが、大学教員の授業や著作に関する所有権は置き去りにしていると主張する。
MOOCにおいては、大学は教員たちの授業に対する所有権を主張するが、では書籍などの他の学問的成果物に対して所有権を主張しないのはなぜなのか。
ネルソン氏は「大学に対しては授業の使用権を与えるだけで十分であり、所有権を与える必要はない。高等教育機関が授業のアップデートや修正の権利を主張すると、授業を行った人間の学問的な自由が脅かされる。金銭ではなく主義の問題であり、あらゆる創作物に対する権利の問題だ」と述べる。
*1:"American Association of University Professors"; アメリカ大学教授連合
大学での授業の権利は誰にあるのか -MOOCをめぐる議論
「The Chronicle of Higher Education」で、無料のオンライン大学授業が学問の自由を脅かすというAAUPの主張が報道されていました。
興味深い問題ですので、以下に抄訳と意見を記述します。
12. 備考
特に重要な個人の能力はA5(チームワーク)である。設備や資料への意識は他の専門家(コンピュータエンジニアやグラフィックデザイナーなど)と協働する際に必要となるだろう。加えて、A2(コミュニケーション能力)も同様に重要な資質である。
11. その他の能力 (望ましい職能; 太字は特に望ましいもの)
専門的な能力
- I01. 利用者と顧客との結びつき
- I07. 情報探索
- I12. 製品やサービスのデザイン
- T03. 出版と編集
- T04. インターネット技術
- T05. 情報技術とコミュニケーション
- C01. 口頭でのコミュニケーション能力
- C02. 文章でのコミュニケーション能力
- C03. 映像でのコミュニケーション能力
- C04. コンピューターを介したコミュニケーション能力
- C05. 外国語の能力
- C06. 対人関係
- C07. 組織間のコミュニケーション能力
- G08. 訓練、教育活動
個人の資質(技能)
- A2. コミュニケーション能力
- A4. 共感力
- A5. チームワークの精神
- A7. 教育的な感覚
- B1. 知的好奇心
- C2. 批判的思考力
- C3. 統合的思考力
- D2. 素早い応答
- E2. 厳密さ
- F1. 適応力
- F2. 予測力
- F4. リーダーシップ
- F5. 組織への帰属意識
9. 特徴 (職務上の活動)
- 異なるセグメントにいる利用者たちの関心領域と情報探索行動を分析し、適切な教育プログラムを同定する。
- 利用者が情報活用スキルを得られるような教育活動を企画・設計、提供し、広報を行う。
- 利用者の資料やツールの活用、また情報資源の自発的な利用を促すために資料やツールを開発・改善する。
- あらゆるツールや情報資源を取り扱えるような教育活動を開発する
- 教育活動や教育資源を評価するためのツールを設計する
- ニーズにあった情報の取扱いができるようになるよう利用者を教育する
- 日常での学習に役立つような基本的な知識や技能を利用者に提供する
- 知識を得る上で情報を効果的かつ批判的に選択・利用するために必要なリソースを利用者に提供する。
- 利用者に対して情報源を利用する上でのアドバイスを行う
- 館の運営戦略を決定するプロセスに参与する