11. ドキュメントアナリスト
スペイン文化省による図書館員の専門性の定義を読もう企画 "Perfiles profesionales del Sistema Bibliotecario Español: fichas de caracterización " 今回は「ドキュメントアナリスト」です。
(目次エントリはこちらです)
耳慣れない職種ですが、業務内容を見るとどこの館でもなじみ深いものです。前にご紹介した「5. 図書館技術者」と似た部分が多々ありますが、要求されているスキルセットは異なります。
(以下、原本では表になっていますが、表組み表記が巧く行かないので書き下します)
1. 役職名 (役職を規定する呼称)
ドキュメントアナリスト
2. その他の呼称
- 技術プロセス責任者
- 目録と技術プロセスの責任者
- 一連の技術プロセスの標準化と調整の責任者
- ソーター、カタロガー、インデクサー
3. ミッション
蔵書に含まれる文書の目録化、分類、索引づけ、要約作成を行う。著者情報や統制語の登録管理を行う。
5. 専門分野(彼らが職務を遂行する領域)
- 技術的なプロセス
- 知識、分析、記録された情報、コンテンツの管理領域
6. 必要な能力レベル
N-1 技術に対する認識 / N-2 実践的な知識と専門的な技術 / N-3 ツールに熟達 (方法論的領域)
N-2(より上位の役職では求められる水準が高くなる), N-3
9. 特徴 (職務上の活動)
- 文書の分析を行う
- 文書を特徴づけるデータ要素を確認し、適切な分類に従って書き起こす
- 既存の基準に従ってデータの形式的な均質性をチェックする
- 典拠情報が含まれる分類表やシソーラスなどに従って、ある文書の主旨をドキュメンテーション言語*1に置き換える。
- 蔵書に含まれる文書についてもっとも関連の強い索引や分類を選択する
- 必要なドキュメンテーション言語を作成・改善する.; 統制語のシソーラス、テーマ分類表などを常時更新する。
- 書誌学的プロセスの基準やガイドラインを作成・改善する。
- 著者や本文、統一表題、シリーズタイトルや主題などの典拠情報データベースを作成する。
- 文書分析にメタデータを用いる
- 目録を管理、修正する
- 館内目録に使用されている典拠情報の整合性や妥当性をチェックする
- 要約*2や注釈*3を作成する
- 文書受入の最終手続きを担当する。: 電話番号と保管場所
- WEBサイトを分析、参照する
- データベース内の文書情報を管理、更新する
- ドキュメンテーション言語の標準化や活用のためのグループディスカッションに参加する
- 使用しているポリシーやツール、手順を継続調査し、更新する。
- セマンティックウェブを設計/監修する
- 図書館WEBサイトの充実にとって適切な言葉*4や基準を選択し、WEBサイトの利用状況や有用性をモニタリングする。
- 図書館の戦略案を決定する過程に参加する。
*1:註: 原文 "lenguaje documental". 文脈上も"ドキュメンテーション言語"であると解釈するのが自然ですが、図書館業界におけるもっと一般的な言葉をご教示ください。
*2:註: 原文 "resumenes analiticos". 日本語でより適切な訳語があればご教示ください
*3:註: 原文 "comentarios criticos". 日本語でより適切な訳語があればご教示ください
*4:註: 原文 "lenguajes semanticos"
11. その他の能力 (望ましい職能; 太字は特に望ましいもの)
専門的な能力
- I04. コンテンツや知識の管理
- I06. 情報の分析や表現
- I08. 蔵書や資産の管理
- I10. 原本の取扱
- I11. 設備・備品の準備
- T01. コンピューターデザインと情報システム
- C01. 口頭でのコミュニケーション能力
- C02. 文章でのコミュニケーション能力
- C04. コンピューターを介したコミュニケーション能力
- S01. その他関連スキル
個人の資質(技能)
- A1. 自主性
- A2. コミュニケーション能力
- A5. チームワークの精神
- B1. 知的好奇心
- C1. 分析力
- C2. 批判的思考力
- C3. 統合的思考力
- D2. 素早い応答
- E1. 忍耐力
- E2. 厳密さ
- F1. 適応力
- F5. 組織への帰属意識