海外図書館のSNS活用事例即席まとめ #図書館員ブラッシュアップ
アカデミック・リソース・ガイド株式会社の岡本真氏が講師をお勤めの「図書館員のためのブラッシュアップ講座 図書館・ライブラリアンのためのWEB活用」という講座が、さる1/24に開講されました。
当該講座の受講生の方がTwitterで #図書館員ブラッシュアップ というハッシュタグをつけてさまざまな活用のアイデアをつぶやいており、それらのまとめがこちらです。
明治大学リバティアカデミー「図書館員のためのブラッシュアップ講座4」「図書館・ライブラリアンのためのウェブ活用」
私は図書館員ではありませんが、せっかくの面白い試みですので、ウェブ活用に興味をお持ちのライブラリアンの方にご参考になればと思い、本稿でいくつか海外の活用事例をご紹介させていただきます。
なお、私自身は図書館の中の人ではありませんが、商売柄図書館等の組織におけるSNS活用の先端事例については他人様より知識を持っているつもりです。ぜひ意識の高い図書館員の方と意見交換させて頂きたく存じます。 #図書館員ブラッシュアップ
ニューヨーク公共図書館
オフィシャルサイトはこちら。: http://www.nypl.org/
Twitterアカウントはこちら: https://twitter.com/#!/nypl
まずは大御所、NYPLです。当然のようにTwitterアカウントを開設しており、フォロワーは堂々の18万人超えです。日中は1-2時間おきにつぶやいています。マメですね。
Tweetにはほぼ必ず図書館公式サイトやブログへのリンクがついており、積極的に導線をオフィシャルサイトへつなげています。
"全国紙の最新記事をお探しですか?ProQuestの Newspaper Premierサービスでは、国内で発行されているすべての全国紙をサポートしています!"
また、Twitter上で利用者からの問い合わせに対応しています。
@nypl do you offer group meeting spaces at any branches?
2012-02-05 03:27:09 via TweetDeck to @nypl
@Hardouin yes, most of our libraries, except for some very small ones, offer meeting space. Call for info. URL
2012-02-07 01:48:42 via HootSuite to @Hardouin
"@nypl どこかの分館でミーティングスペースがあるところはありますか?"
"@Hardouin はい、非常に小規模な分館をのぞくほとんどの分間でミーティングスペースをご提供しています。詳細はこちらをどうぞ。 http://www.nypl.org/locations"
ちなみにNYPLは分館ごとのTwitterアカウントも開設しています。こちらはマンハッタン館のTwitterアカウントです。
https://twitter.com/#!/midmanhattanlib
FacebookページはNYPL全体の公式ページはないようでしたが、分館ごとのページが見つかりました。
- マンハッタン館: http://www.facebook.com/midmanhattanlibrary
- 芸術・写真コレクション: http://www.facebook.com/pages/Art-Prints-and-Photographs-Collections-of-the-NYPL/213023842053451
- ドンガンヒルズ館: http://www.facebook.com/donganhillslibrary
すべての分館が開設している訳ではありませんが、各館ごとに可能な限りサービスに取り組もうという姿勢が強く表れています。
なおNYPLでは、オフィシャルサイト内にソーシャル・ネットワークサービス活用のためのセミナー・イベントを多数を開催したりしています。
ボストン公共図書館
またまた大御所、ボストン図書館です。
オフィシャルサイトはこちら: http://www.bpl.org/
Twitterアカウントはこちら。: https://twitter.com/#!/BPLBoston
こちらも堂々の5000人超えフォロワーです。
こちらのタイムラインを眺めると、NYPLより多くのmentionを飛ばし積極的に利用者とかかわろうとしている様子がわかります。
Spent a large share of today at the Boston Public Library, trying not to drool on the rare-book cases.
2012-02-08 12:42:08 via web
@danialexis You made more than one of us laugh at your tweet yesterday. Thanks for visiting and staying strong with the drooling.
2012-02-09 02:49:37 via TweetDeck to @danialexis
@BPLBoston Thanks! I'm from MI and deal mostly in modern firsts, so your rare books were novel and awesome for me. I'll be back!
2012-02-10 00:30:48 via web to @BPLBoston
"今日はほとんどボストン図書館にいた。貴重書庫によだれ垂らさないようにがんばった"
"@danialexis 昨日のTweetウケましたw ご来館、そしてよだれを垂らすほど居てくださってありがとうございます"
"@BPLBoston ありがとう!僕はミシガンから現代の初版本を探しにきたのですが、そちらの貴重書庫は物凄く素晴らしかったです。また来ます!"
ボストン図書館はFacebookの活用具合も素晴らしいです。
http://www.facebook.com/bostonpubliclibrary
なんと驚愕の6,900イイネを獲得しています。むしろTwitterより活用しているのでしょうか?
写真付き・リンク付きの投稿が多く、ほぼすべての投稿に反響があります。
ほかにもFlickrやFoursquare、Youtubeも活用されています。
http://www.bpl.org/community/socialmedia.htm
どんどん新しいことに挑戦していますね!
ロンドン図書館
アメリカを2例紹介したので、次はロンドンにいってみましょう。
オフィシャルサイトはこちら: http://www.londonlibrary.co.uk
Twitterアカウントはこちら。:https://twitter.com/#!/thelondonlib
こちらもボストンのように、多くのmentionやRTを飛ばし、積極的に利用者と関わろうとする姿勢が見られます。
NYPLに言及しているTweetも見つかりましたw
On my last visit to London, stood outside @TheLondonLib and looked rather longingly in. As a New Yorker, tisn't my time yet. But someday!
2012-02-10 02:24:35 via web
@BookishCook But you do have the NYPL, and The Strand... And, gah, glorious New York itself. Hope to see you here someday tho! #weheartNYC
2012-02-10 20:44:52 via web to @BookishCook
"前回ロンドンに行った時、ロンドン図書館の外に立っていいなーって眺めてた。私はニューヨークに住んでるからつまんないな。でもいつかは!"
"@BookishCook でもあなたにはNYPLがあるし、ストランド古書店も……で、あー、ニューヨークはとっても素晴らしいところです。いつかまたお会いできる日を! #weheartNYC"
Facebookページはこちらです。
http://www.facebook.com/pages/The-London-Library/198017356050
コメントがついている投稿が多く見られます。中にはユーザー同士で意見交換しているものもあります。
まとめ
なんか疲れてきたのでこの辺でまとめます(ぉ
各図書館の活用事例の共通点として
- とりあえずTwitterとFacebookページは必須
- オフィシャルサイトへの導線を作る
- 自館の話題ばかり出すのではなく、本一般の話題や雑談等もまじえて利用者と積極的に交流する
- まめに多数の投稿を行う
というものが見られました。
また、各図書館に見られた共通点として
そもそもオフィシャルサイトが非常に充実
していました。
つまり、ある日いきなりTwitterだのFacebookだのを使いだした訳ではなく、オフィシャルサイトでインターネットを活用した情報配信ノウハウを十分につちかった上でのソーシャルメディア活用なのですね。
どのようなメディアでユーザーと関わるにしろ「どんな情報を配信すべきか、どんな情報がよろこばれるか」「どのような姿勢でユーザーと関わっていくか」というポリシーやノウハウは必ず必要です。そのようなポリシーやノウハウを既に形成できていると、新しいメディアの活用もスムーズにいくのかな、と思います。
確かにユーザーから見ると、どんなにTwitterやFacebookで元気にしていたとしても、肝心のオフィシャルサイトでの情報発信がしょぼいと
「大丈夫かこの図書館?」
と思ってしまいます。
いかがでしたでしょうか?少しでも皆様のご参考になりましたら幸いです。
ご意見ご感想はこちらのコメント欄でもいいですし、Twitterの@liliputまでお寄せくださっても結構です。
aliliputちゃんはライブラリアンの皆様を応援しています!