「公共図書館の自己評価入門」
- 作者: 神奈川県図書館協会図書館評価特別委員会
- 出版社/メーカー: 日本図書館協会
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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本書は正直、図書館利用調査の入門書としてはお勧めできない内容でした(^^;
タイトルから実践的な手法がたくさん紹介されている内容を想定していたのですが、実際は大和市立図書館の実践例紹介と、統計学の解説がほとんどでした。分かりやすく実践的な手法を探したいなら、本書は向いていないと思われます。
しかも統計学の解説が……統計学の初心者を想定しているらしく、確率変数や標準誤差の説明や仮説検定等についての説明を数学的に丁寧に行っているのはいいのですが、その分より実際的な標本抽出や質問紙の設計が後回しにされており、初学者にはとっつきにくい内容となっています。
というか、正直どういう層をターゲットにしているのかわからん……平均のなんたるかの丁寧な解説は必要だけれど、ガウス分布はさらりと理解できる統計初心者なんてどんなんだーー!!
統計学について知りたいなら、他の参考書を活用した方がよろしいでしょう。*1
また大和市立図書館の実践例ですが、こちらは調査の目的設定や立案から分析まで丁寧に解説されており、他館の例を知りたい場合には大いに参考になると思います。