図書館学徒未満

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学校図書館は生徒のためだけにあるんじゃない

たとえば世の先生で「教材研究をするヒマがない」と悩んでいる方は多いでしょう。そんな時、図書室の司書に世に出回っている参考書や教材を一通り入手しておいてもらい、リスト作成の上、該当する箇所に付箋でも貼って自分の机の横に積んでおいてもらえれば、それだけでも随分楽になるんじゃないでしょうか。
また調べ学習やレポート課題は、事前に図書室にテーマを説明しておき、必要な資料を一通り見繕っておいてもらうのもいいでしょう。「レポートの書き方」系の本をそろえてもらうことも忘れずに。資料検索や活用に関する質問は、図書室に一任してもいいかもしれません。


難しい進路指導や生徒のモチベーション向上についても、図書室に協力してもらい「13歳のハローワーク」や「なるにはシリーズ」のような本を集めたミニコーナーを設置して、成績の話になりがちな通常の進路指導のサポートをしてもらうと、生徒のモチベーションも少しは上がって指導もしやすくなるかと思います。


更に生徒や父兄への接し方、場合によってはクレーム処理や法的な対処の仕方についても沢山の資料が出回っています。想定される問題ごとに、その対処に関する資料を事前にまとめておいてもらったら助かることも多いと思います。


加えて、学校経営や学級経営、指導技術についても沢山の本や雑誌、セミナーが次々と出版されています。そういう情報は普段の激務に追われなかなかキャッチアップできないでしょうから、司書にお願いして情報を探してもらい、すぐに目が通せるよう定期的にA4一枚程度にまとめたサマリーを作ってもらうと幸せになれます。これは司書をRSSリーダーとして活用する提案です。


学校図書館にない資料、または高額で買えないような資料については、地域の公共図書館と交渉して利用させてもらうのも一つの方法です。学校図書館にはそういう場合の交渉窓口になってもらうのもいいかもしれません。


司書教諭も司書のうちです。司書ならば相手が生徒じゃなかったとしても、情報検索や活用のお手伝いをしてくれるはずです。それに学校図書館が自分たちの仕事を楽にすると気づいたら、他の教員の協力も得やすいでしょう。
図書室の活性化を考えるなら、まずは先生方が図書室を活用している姿を生徒さんに見せてみてはいかがでしょうか。