静岡市立御幸町図書館とはどんな図書館か
開館 | 2004年9月17日 |
延床面積 | 2094平方メートル |
蔵書数 | 12万点 |
職員数 | 正規職員7名、非正規職員20名 (内、有資格者数19名) |
館長 | 豊田 高広 |
以上の通り、どこの市にでもあるような普通の規模の図書館です。全ての職員は最長5年で異勤・退職してしまう普通の公務員や職員ですし、この図書館だけ他の自治体に比べて特別多い予算を貰っているということもありません。
館長の豊田氏自身も図書館業務に関わった当初は、希望しない異勤で偶然図書館に配属された、(失礼ながら)やる気のない一公務員でした。
しかし、この図書館には以下のような特徴があります。
市街地の中心に立地
この図書館は「ペガサート」という、新静岡駅から徒歩2分程度、というかほとんど駅ビルと言っても過言ではない再開発地区にあるビルの中にあります。実は私も以前ちらっとペガサートに立ち寄ったことがあるのですが、タリーズコーヒーや洋服店等が並ぶ、ごく普通の駅前ビルです。このビルの4F・5Fに図書館が入っています。
立地上図書館専用の駐車場はありませんが、共同の駐車場や公共交通機関が充実しているので非常にアクセスしやすい場所です。さいたま市中央図書館も来る11/29に浦和駅の駅ビル内に開館しますし、駅チカ図書館はこれから流行るのかもしれません。(何
ビジネス支援サービス
この図書館最大の特徴です。詳細は後述しますが、図書館の上のフロアにある静岡市産学交流センターと密接な連携の下、各種セミナーやイベントの開催、参考資料の案内、LexisNexisや日経テレコン21等の各種データベースの提供を行っています。
ちなみにデータベースの提供ですが、当然サーチャー資格を持った職員がついていてくれます。高度な機能を持った有償データベースは使い方が難しく、なかなか一般の人は使いこなせないものですが、ここではバッチリです。
多言語サービス
静岡市は外国人が住民の1%強を占める、多文化の共生する街でもあります。御幸町図書館ではそんな外国人住民のため、彼らの使用する言語を反映して蔵書を選択し、雑誌・新聞40タイトルを含む実用書や児童書、文芸書、日本語学習書などを揃えています。
また、2006年から外国人ボランティアの協力を得て、絵本の読み聞かせイベントを月に1回開催しています。
……今日はなんとなくここまで書いて力尽きました。(ぉぃ
本題の、御幸町図書館が行ってきたビジネス支援サービスの詳細については、次回ご紹介します。
著者の豊田氏は本書の中で、御幸町図書館での実践経験に基づき「これからビジネス支援サービスをはじめようとする市町村立図書館へのアドバイス」として、以下の6点を挙げています。
- (ビジネス)コーナー設置は出発点と心得る
- 専門機関と積極的に連携
- 公共図書館のメリットを生かせ
- 住民のニーズを仮説を立てて検証せよ
- 選書は読まれるより使われることを旨とせよ
- 職員集団を「学習する組織」に育てるべし
次回はこの6つの柱に基づいて、御幸町図書館の試みをご紹介します。