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図書館学徒未満

図書館学に関する本を読んだり調べごとをしたりしています。はてなダイアリーから移行しました。

学問はどうやって一般人の理解を得るべきか -カミオカンデ行ってきました!-

図書館とはあんまり関係ないですがサイエンスコミュニケーションネタなのでこちらへ。

 

梶田先生、ノーベル物理学賞受賞おめでとうございます!

という訳で、去る7/19にスーパーカミオカンデ行ってきた話をします。別に書くのをサボっていた訳ではなくてこのタイミングを狙っていたんだよ、本当だよ!

 

スーパーカミオカンデカミオカンデ岐阜県飛騨市神岡町にある巨大なニュートリノ観測施設で、旧神岡鉱山の坑道を利用して建設されています。先にノーベル賞を受賞された小柴先生が設計指導をされていました。

毎年7月にGSA

gsa-hida.jp

というイベントで一般向けの見学会が開催されており、この時はスーパーカミオカンデの真上1mくらいまで近寄ることができます。激戦の中チケットをとってくれたお友だちに感謝です!

 

さてスーパーカミオカンデ、運営費だけでも年6、7億円を使用しており、物理的規模も含めて我が国のビッグサイエンスの象徴みたいなところです。世界各国から多数の研究者や関連業者が頻繁に出入りもしています。それが神岡町という人口1万人程度の地域でどのように受容されているのかな?という点がずっと気になっておりました。

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これが神岡町の観光パンフレット。かなりデザイン性の高い作りです。神岡町では宿泊施設や店舗等のいたるところで配布されています。

ここには特にカミオカンデの話は強調されておらず、鉱山を中心とした神岡町の歴史が紹介されています。

神岡町内にはこのような鉱山のサンプルが飾られた道標があちこちにあり、

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鉱山の街情緒を漂わせています。この道標、どれも綺麗で驚きました。神岡町の観光案内系のサインや公園はきれいに整備されており、結構予算がついているのかな?と思いました。

さて、カミオカンデ見学は朝早くから始まります。見学会はまず神岡町公民館に集合してそこで注意事項の説明とヘルメットの配布を受けた後、バスでカミオカンデまで行きます。

集合場所になっている公民館前ではカミオカンデ&ニュートリノ関連グッズが販売されていました。

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こちらのグッズの販売やカミオカンデまでの案内等、見学会の進行の一切を行っているGSA運営スタッフは地元のボランティアが中心とのことです。グッズの、特に食べ物系は売れ行きが激しいので早めの確保が必要です。これらのグッズは神岡町内の企業が製造しています。

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さてバスに乗って坑道内へ。

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神岡鉱業株式会社が鉱山内見学に協力しており、まず神岡鉱業の歴史や事業の説明がしっかりありました。写真は昔の鉱山採掘の様子を再現したお芝居です。坑道内の気温は15度を切るのによくやってくれました……!グッズといい案内や説明の演出といい、地元の方々の神岡鉱山カミオカンデ愛が伝わってきます。

カミオカンデの運営には地元企業や地元住民の方のご協力が不可欠でしょうが、普段どのようにコミュニケーションをとっているのか気になります。サイエンスカフェはたまに開催されているようですが。

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こちらはつい最近まで実際に採掘に使われていた現役の重機。動かせるし乗せてもくれます。これらの重機はカミオカンデ建設の様子を録画した映像に出てきていますので、おそらくカミオカンデの建設に使用されていますが、その話は特にされませんでした。でも岩山を掘るには専用重機と技術が必要なので、建設や設備メンテナンスには神岡工業株式会社の協力が不可欠なはずです。

 

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さてついにカミオカンデの内部へ……なのですが、有名なあの、タンクの中に光電子増倍管がずらっと並んでいるところは見られません。ニュートリノ観測中のためタンクを開けることはできないからです。その代り、タンクの蓋の上を歩きそこでカミオカンデの説明を受けます。広い!

写真の枚数が多いのでカミオカンデ内部の写真はGoogle フォト アルバムでお楽しみください。カミオカンデのデータ処理の話などがあり、ITクラスタにも興味深いパネルが飾られていました。

なお、スーパーカミオカンデと現カムランドで行われている研究についてそれぞれ東京大学東北大学の方からご説明をいただいたのですが、お金の話は一切出てきませんでした。特に社会的意義を訴える話もなし。頂いたパンフレットも同様です。純粋にアカデミックな話題に終始していました。それはそれで夢があって大変に素晴らしいことだなと思うのですが、個人的にはこの辺を聞ければ聞いてみたかったです。

日本だけではなく世界中の研究者や研究機関が関わり相応の予算を使うビッグプロジェクトなので、きっと内部的には非常に色々あるのだと思います。でもその辺りを外面に一切出さず、まとまりの良いPR資料を用意している点には感銘を受けました。その辺りの政治的技術を知りたいです。某もっと規模が小さいのに内ゲバばっかりしている業界の参考になるかもしれません(?

カミオカンデ見学自体の話は以上です。続いて赤ふんラーメンと暗黒物質まんじゅうの画像をお楽しみください。

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ちなみに神岡町自体ものんびりしていて自然が豊富で、ちょっとゆっくりしたいようなところでした。観光案内もしてくれたのだけれど、路線バスが2時間に一本とかいうレベルなので長滞在ができませんでした。ここをもう少し対策してくれるとありがたいな……