図書館学徒未満

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「指定管理者は数年で変わることがあり、図書館の地域資料収集等の妨げとなる可能性がある。また、ノウハウもたまらない」

確かに指定管理者は数年で変わる可能性がありますが、それなら直営館の職員も大抵は数年で異動します。公務員なので。専門職員にノウハウがたまるほど長年勤務してもらうには、浦安のような体制でもないと難しいのではないでしょうか。


また、首長も数年で交代します。首長が変わってしまえば、現場の図書館員がどんなにしっかりしていたとしても、地域資料やノウハウ、運営ポリシーなどがどうなるか分かったものではありません。武雄市大阪市の事例を見るだけでもそれは分かると思います。


したがって「数年で交代する可能性がある」という点は指定管理者に限られません。直営・民間かかわらず、そういうリスクはあります。
単一事業者によるノウハウの継承、という非現実的な前提はあきらめ、業務の標準化や引き継ぎ期間の設定等で対応すべき問題です。


また、地域資料を大切にするかどうかは調達側がどのような要求仕様のもとに調達したかによります。地域資料を積極的に維持・収蔵してもらいたければ、そのような条件で受託者を探せばよいのではないでしょうか。これは運用の問題であり、指定管理者制度そのものに内在する原理的な問題ではありません。