図書館学徒未満

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自己責任への挑戦------求職者への支援(pp.53-pp.58)

ニューヨーク公共図書館の分館内にある「職業情報センター」では、求職者への支援が行われています。

センターには就職や転職、専門技能などに関する書籍や各種新聞、雑誌、パンフレット、公務員試験の案内や出願書類、各種資格試験の参考書、奨学金や就職支援制度の情報、高齢者や障害者に関する就職情報等がきめ細かく集められています。

センターの中央には求人広告のスクラップが貼られ、専門家が履歴書の書き方や面接の指導等を行うセミナーも開催されています。転職エージェント並みか、それ以上のサービスが図書館で受けられるなんて、さすが転職社会アメリカです。


わが国でも、ニートフリーターの就職支援対策に巨額のお金がつぎ込まれており、その一方で「マトモなキャリアが築けなかったのは自己責任」という意見があります。
ニートフリーターになってしまい、正社員への道が厳しくなってしまったのは確かに自己責任の部分があるかもしれませんが、かといってそういう人々を放置しておいては、福祉のコストがかさんでしまいます。働ける能力のある人はできるだけ、一人立ちしてもらう必要があるのです。

かといってそのために巨額のお金をつぎ込むのもどうかと思います。どうせコストをかけるなら、最小限のコストで最大限の結果を上げたいところです。
そんな訳で、働く意志のない人たちの動機付けにコストをかけるよりは、実際に求職活動をしている人々が少しでも条件のいい就職ができるよう支援する方が、はるかにマシな結果が得られるんじゃないかな、と思います。



次回、後編としてニューヨーク公共図書館運営の舞台裏についてまとめます。